国鉄スハ43系客車
国鉄ED75形電気機関車
#改造プラレール
— Unknown (@7k1ta) 2022年10月30日
「いっぱいつなごう 常磐線客車列車1984」(ED75+スハ43系10両)完成です!
ED75はEF65PFを短縮し製作。C57炭水車の動力をねじ込んでいます。
旧客は扉をぶち抜き、3Dプリンタ製の扉パーツと便所・洗面所窓パーツを取り付け、1984年(59-2改正後)頃の水戸客貨車区に実在した車両を再現。 pic.twitter.com/7EjbTLxVMr
落成:2022/10/30 (東北大学祭2022向)
種車:EF65PF形(S-34 自動車運搬列車)・客車各種
昭和60年3月のダイヤ改正までは、東北地方各地で旧形客車を使用した列車が走っていました。仙台地区に着目すると、仙台運転所や福島客貨車区、盛岡客貨車区といった東北本線系統の区所に所属する客車は、オハ35系や茶色の客車といった古めかしい車両が多く運用されていました。一方、常磐線で運用される水戸客貨車区所属の車両は、すべての車両が青・スハ42形2両を除きすべてスハ43系であるという特徴がありました。
この水戸客貨車区所属の客車たちと、東北地方には欠かせない牽引機であるED75形をあわせて製作しました。
編成
※昭和57年11月改正~昭和59年2月改正:付属3両+基本7両
←仙台 | 水戸→ | ||||||||
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スハフ | スハ | スハ | スハフ | スハ | スハ | スハ | スハ | スハ | スハフ |
水付1 | 水1 または 水2 |
※昭和59年2月改正~昭和60年3月改正:付属3両+基本6両
←仙台 | 水戸→ | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
スハフ | スハ | スハ | スハフ | スハ | スハ | スハ | スハ | スハフ |
水付1 | 水1 または 水2 |
注:オハ46 2001・オハ47 2250・オハ47 2287は59-2改正以降に借り入れ。
※スハ・スハフはそれぞれオハ・オハフでも可。同じ水戸担当の路線でも水郡線ではオハ(フ)が指定されており、これにス級の車両は入れられない(重量過多)…ということだと思われる
※もちろん先頭にはED75が付く
改造内容(客車編)
とりあえず種車を爆買い。仙台・新潟・名古屋と中古屋を回り空振り、結局手持ちの他は千葉県内で揃えました。後で聞いた話では、突如として旧客が狩りつくされたことを現地の旧客ガチ勢に不審がられていたそうな…
今回のこだわりポイントは、「客扉と便所・洗面所窓をすべて実車通りにする」です。現役当時撮影された写真や保存車の現状から、さまざまな種類がある扉を1枚1枚特定し、再現しました。
このために、まずは客扉と便所・洗面所窓、ついでに妻面扉(スハ43系列では本来新造緩急車以外にはついていないため)をホビーソーやらニッパーやらデザインナイフやらを駆使してブチ抜きました。腱鞘炎になるかと思いました。
断面を整えたら、3Dプリント品の各パーツをはめ込みます。
パーツの出力は大学の設備*1のほか、間に合わなさそうだったので一部ドアをパシフィックさんにお願いしました。このためFDMと光造形の両方が混在しています。光造形での出力品を扱うのは初めてで、FDMとの比較ができ参考になりました。
また緩急車化改造車(オハフ45・オハフ46)には尾灯(Φ=2mmのLED)を埋め込んでいます。
これらをすべてはめ込んだら瞬着で固定し、下地処理を行い青15号(ガイアカラー)で塗装しました。
塗り上がったら、Hゴムや便洗面所窓に白を、ドアのステップに黒を、アルミサッシ窓の車両には銀を色差しし、車番インレタを転写。この車番インレタはInkscapeでデータを作り、有限会社アドマさんのアウトレットインレタに注文しました。送料込み1200円(執筆時点)で作れちゃうので、読者の皆様もぜひ使ってみてください。
屋根はジャーマングレー(Mr.カラースプレー)で塗装し*2、ベンチレータをねずみ色1号で色差し。全部組み立てたら客車は完成です。
ここでTR47装備車(スハ43・オハ46・オハフ45)は灰色車輪、TR23装備車(オハ47・オハフ46)は黄色車輪を装着しました。TR11車は赤色車輪にしましょうか。
改造内容(機関車編)
客車のオタクなので、客車に入れた気合に比べ機関車の方があまりにも貧弱です。多分全世界75億人のED75ファンにシバかれると思います。
種車には自動車運搬列車のEF65PFを選びました。よくあるEF81と比べ、貫通扉があり顔をあまり弄らなくてよい、現在新品流通しているといった利点があります。
というわけでまずはルーバー6枚のところを4枚分に切り継ぎました。
種車に比べて75の方がルーバーが大きいため、これまた3Dプリント品のルーバーを上から貼り付けました。もともとは凹モールドでしたが、製品のEF81のような凸モールドとしています。
このほか、ヒサシの撤去、飾り帯の貼付を行ったうえで塗装しました。
最後に動力ですが、SL炭水車の2両目動力を使いました。大量の客車を牽引すべく、トルクチューンモータへの換装を施工しています。
ただしスイッチは車体に収まるよう操作部分を一部折っただけで、外部から操作できるようにはしていません。いちいち車体を外す必要があり面倒ではあります。さらにモータにつながる車輪は交換しておらず、SL感が残っていますが気にしません。
余談:塗装の乾燥には食器乾燥機(山善YD-180)を使用しています。乾燥スピードが心なしか上がったように感じますがプラセボ効果かも。ホコリ除けには重宝します。
これを購入して一番良かったのは雨の日でも塗装できることです。湿度の高い日に塗装を行うとカブリと呼ばれる白化現象が起きるらしい(起こしたことがないのでわからない)のですが、雨の日に塗装して食器乾燥機に放り込んだところ無事でした。
おわりに
一気に11両作ったのは正直しんどかったです。でも昭和の常磐線を再現できて満足感の高い作品になりました。
一点やらかしたのは、製作したオハ46 2001が59-2改正以後に水戸客貨車区にやってきた車両であり、そのころには基本編成が6両に減車されていたため、今回作った客車で10両編成を組むと時代設定がおかしくなることです。誰がわかるんだという話ですが。
今後はスハフ42形やスハ42形あたりを増備したいです。
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東北大鉄研の機関紙「青葉」40号に「57-11改正後の常磐線」を執筆しています。今回の客車列車や前回の451系が常磐線を駆け抜けていた時代のお話です。
一般販売は終了していますが、以下の図書館に所蔵されています。
目次は以下の通りです。遠隔複写の際に参考になればと思います。